納豆ぽくなっとう

栄えある日本男児として生を受けたからには、一度は試みずにはおられない。これこそ男のロマン。それが納豆作りである。

…と、大上段に構えてみたが、本音は、納豆を毎日食べるのに結構お金を使っているということに気づいて、「これは自作して、ケチるしかっ!」と思っただけ。納豆作りは、おそらくポイントさえ押さえればさほど難しくなく(…たぶん)、友人にも自作している人がいる

Mixiにも[納豆]というコミュがあり、この中に「自分で作ります」 というトピックがある。 納豆は発酵食品なので、どうやって発酵させるかがキモになるが、まずは、この中のオーブンを利用して発酵させる方法を試してみた。(ちなみに、このとき自分が参考にしたのではないが、「北米でのナットウの作り」に記載されている方法を簡略化したようなのを採用した。)

セ氏40度程度で発酵させることが通常勧められているが、それよりずっと高い華氏170度(セ氏で77度くらい)以上でしか、私のオーブンの温度は設定できない。しかし、まぁいいや、という根拠のない楽観で、オーブンの中に、茹でて柔らかくしたあと既製品の納豆を混ぜいれた大豆を置いてみた。…って、えらい温度差あるんですけど?>自分。

丸一日たった後、どきどきしながらオーブンの中を覗いてみると…糸引いてない がっかり。どう処分したものか悩みながら、とりあえず耐熱平底容器から、別の容器に移して常温で放置していた。そしたら、容器内部に水滴が…。どうやら室温でも発酵は進んでいたようで、最終的にはそれなりに糸を引いていた(写真)。万歳!

実は、この段階まできちんと納豆の作り方を調べてなかった。限られた知識でなんとなーく作ったら、幸いうまくいったわけだ。で、今度はちゃんと調べてみた。その結果わかったことをメモしておく:

  • 最初に、大豆を念入りに洗って水に半日ほど漬けるのだが、この際サイズが大きく変わるので、要注意。ちゃんと計測したわけではないが、倍近くまでかさが増したような気がする。水を吸いながら、「パキン、パキン」、と、まるでカーズ様が長年の眠りから目覚めそうな音まで立てるのには、ちょっとびっくり。
  • 発酵過程以前の前処理では、豆をしっかり柔らかくすることが大事のよう。圧力鍋で蒸すのだとわずか20分ほどしかかからないそうだが、そうでないと数時間は延々と煮続けないとなかなか「指先で簡単に潰れる」ほど柔らかくならない。また、発酵過程で、なかなか芯まで発酵してくれないので、煮る前にフードプロセッサやコーヒー豆挽き器で、荒く挽いて、挽き割り状態にしておくのがよいのかもしれない。
  • こだわる人はブランド物の納豆菌(例えば、高橋祐蔵研究所のもの)をわざわざ入手するものらしい。しかし私は市販の納豆を「種」として使えば十分だと思う。ただし、市販品を使うときには、茹でた大豆に混ぜいれる前に、あらかじめ冷蔵庫から出して、常温中にしばらく置いておくほうがよいと思われる。具体的な時間はわからない。冷蔵されているとき、納豆菌は胞子と化して、休眠状態にあるらしいので。
  • オーブンの使い方については完全に誤解していた。オーブンは単なる保温箱として使うだけで、熱源は他に用意するもののようだ。40Wの電球をオーブン内で点灯している人もいるようだが、私は単にオーブン内ランプをつけるだけで十分だと思う。自分のオーブンの最低設定温度は77度なのに、他の人のオーブンは40度に設定できるのか、などといぶかっていた自分が愚かしい。 ちなみに、パソコンで温度を自動制御して専用容器内で発酵させているツワモノまでいる。 オーブンの中には、水を入れた皿を置くなどして、適度な湿気が維持できるようにする。
  • 納豆菌(あるいはそれを含んだ納豆)を混ぜる段階から、清潔さにこだわっている人が多い。容器や箸を殺菌消毒する念の入れようだ。雑菌の混入を避けるためだという。そうでなくても食品を扱うわけだから、もちろん衛生に気を配るのは当然のこととして、そこまで神経質になる必要があるのだろうか?伝統的には、藁の中に煮豆を入れて、そこに自然に生息する納豆菌に発酵させていたものであることを考えると、そこまでやる必要があるのか疑問に思わざるをえない。
    ここで、さっきの設定温度との関連が出てくる。納豆菌は実に温度に対する耐性が高い。100度でも死なないし、マイナス100度でも死なない(どちらもセ氏で)。もちろん、死なないだけではだめで、がんばって発酵に励んでもらわないといけないのだが、(セ氏)70度の高温でも活発に発酵活動を行うものらしい
    70度程度では他の菌・カビ類を死滅させるのに必ずしも十分ではない。 しかし、繁殖の抑制程度は期待できる。そうすると、40度というのは納豆菌を繁殖させるための最低温度とむしろ考えて、それより高くなることはさほど気にしなくてよいどころか、むしろよいことなのかもしれない。 ただ、もちろんその分電気代はかかる。
  • 北米でのナットウの作り」では、発酵段階の最初に、塩と糖蜜(molasses)を加えることを勧めている。というわけでmolasses買って来た。高さ15cmほどの小ビンで$3程度だったと思う(具体的には、 Brer Rabbit Molasses – Mild Flavor) 。

第一弾の成功に気をよくして、これでもう納豆作りはマスターだぜ、と自信満々で作った第二弾は…大失敗全然糸ひきよらん。どういうこっちゃ?第一弾との違いは…上に列挙したようなことに留意したこと。が~ん、それじゃぁ説得力ゼロじゃん。第二弾ではずっと多くの量の大豆を使ったから、ショックもなおのことでかい。

しかし、わずかに残っていた煮豆を使って、三度目に挑戦。三度目の正直、というが、三度目が初回よりもさらにうまくいった。発酵過程に入って24時間で、しっかり糸を引いていた。

第二弾で失敗して、第三弾で成功したのはなぜだ?以下の三点が考えられる。

  • 第三弾では、容器の上を、穴開きアルミホイルでふさぐことをさっぱり忘れていた。このため豆が乾燥しがちで、途中で何度もかき混ぜなおしたが、これがかえってよかったのかも。
  • 第三弾では、煮豆の量が少なかったため、皿の上に豆の層が一段か二段程度にしかならなかった。第二弾では、たくさんの豆を発酵させようとしていたので、四段以上になっていたように思う。上記の点とも関連するが、これが空気の循環を阻害していたのかも知れない。
  • 第三段では、種として使う納豆として、二種類別のものを混ぜた。これが悪影響を及ぼしたとは考えにくいが…。

まだ安定して発酵させる技術を確立したとはいい難いが、今後も研鑚したい。その間、第二弾の失敗作を、納豆ではなく、「お豆さん」だと思って食べているのだが…そうそうなくなりそうにない。なにせ大量にある。

ところで、納豆菌について調べていて面白いと思ったのは、現代の日本農業では、納豆菌や乳酸菌などを利用して、土の中で発酵を起こして土壌を肥えさせる「土ごと発酵」方式が着目されているらしいということだ。 さらに、納豆菌ダイエットなんてのもある。まったくもぅ、何が何でもダイエットの勢いだ。

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納豆ぽくなっとう への2件のフィードバック

  1. Aika Florence より:

    やはりこうして見ると、私が作った納豆は変色が少ない。まだ大豆の色を残していたからね。醗酵が足りないのかなぁ? 出来立ての時、糸の引き方は問題なかったんだけど…出来上がってから一週間くらい冷蔵庫に寝かせておいたら納豆ではなく大豆と納豆の合いの子になってたし。でも、不味くはないから良いか…みたいな。(^^;

  2. Yasuro より:

    それは、煮方なり蒸し方が足りなかった可能性もあるよね。表面ではちゃんと発酵してたとなると、これか、発酵時間が足りなかったか、どちらかの理由だろうね、たぶん。

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