スカイプ英会話学校の格安レッスンは本当にお得?

ご案内:
この記事で話題にしているスカイプを利用したオンライン英語レッスンについては、2007年6月に専用のウェブサイトLinguaEspresso.comを開設しました。詳しくはそちらをご覧下さい。

この記事は、先日の「スカイプを利用してアメリカ人女性から生の英語を学びましょう!」に関して受けたご質問の一つに答えるものです。

最近、スカイプなどインターネット上で動作するボイス・チャット・サービスを利用したオンライン英会話学校がいろいろあるようです。例えば、 Googleで「スカイプ」と「英会話」をキーワードに検索してみると、ゴマンとヒットします。通常の英会話学校でのプライベート・レッスンと比較して、わざわざ学校まで足を運ばなくてもよい、時間に自由度が高い、という利便性はもちろんのこと、レッスン料が割安である、というのが大きなアピールになっているようです。

例えば、e-com英語ネットでは、 いくつかの料金プランを用意していますが、1時間換算 2,600円~3,400円になるようです。英語でしゃべり隊クラブに至っては、 あらかじめ購入するクレジット額による割引を最大に利用すると、同じく1時間換算約550円から1,100円にまで安くなります。(ちなみに、額に幅があるのは、講師ごとにレッスン料が異なるからです。)常軌を逸脱した、とまで言いたくなる、びっくりの格安さです。利便性と合わせて、いいこと尽くめのように思えます。

…果たしてそうでしょうか?

うまい話には裏があります。この安価なレッスン料金は、人件費の安いフィリピン在住のフィリピン人を講師として採用することで成立しています。確かに、 長年米国の植民地であったフィリピンでは、その歴史的経緯から英語が広く通用します。しかし、いかんせん独特の訛りがあります。これは、英語で全授業が行われ、フィリピン一の大学だとされる、"UP"ことフィリピン大学 (University of the Philippines)を優等で卒業した人たちですらそうです(個人的にそういう知り合いがいますのでよく知っています)。まだ、そういったクラスの人たちならまだよいのですが、おそらくそういったレベルの人は講師としては採用していないでしょう。

e-com英語ネットではその講師紹介ページで、何人かの講師の挨拶ビデオを提供しています。これをご覧になると訛りがおわかりいただけるかと思います。ただし、ここでビデオを出しているような人は、まだ訛りが薄い方です。逆に、運営者の立場からみると、だからこそビデオを公開している、ということなのです。ビデオを公開していない人については推して量るべきでしょう。うがったものの見方のようですが、真相はそういうことです。

スピークラインでもフィリピン人講師を採用していますが、彼らが「英語圏での留学経験・英語指導経験や、米国・英国向けコールセンターで数年間勤務経験がある」 としてます。残念ながら、英語圏で留学経験があっても、訛りはそうそうなくなるものではありません。さらに、米国・英国向けコールセンター勤務というと、母国語にほぼ匹敵するレベルを英語力を持つような印象を受けるかもしれませんが、それは正しくありません。実際は、信じがたいほど訛りの強い人もそういう仕事に就いています。

英国の状況はわかりませんが、私が住む米国では、近年グローバル・アウトソーシングの波が押し寄せ、多くのコールセンターが海外に移されました。そのため、カスタマー・サービスの電話番号に電話すると、そこに答える人は外国人であることがままあります。相手の訛りが強いと、電話の本来の目的だったはずの問題を解決する以前に、意思疎通を図ること自体が難しく、フラストレーションがいや増すばかりです。アメリカ人たちの冗談の種によくなっています。

もちろん、フィリピン訛りそのものに、いい・悪いがあるわけではありません。例えば、商社勤務で、今度フィリピンに転勤することになっているような方なら、まさにうってつけの機会といえるかもしれません。要は、自分の目的からみて、適切なのか、ということを考える必要があるということです。

英語を学ぶ日本人の多くが、TOEICあるいはTOEFLといった英語能力試験のスコアを上げることを目標にしています。これは、企業や学校が英語力を知る上でそのスコアを要求することが多いこと、しかも、それによって、それ以降の与えられる機会の幅が大きく変わることを考えれば、自然なことといえます。

これらの試験はどちらもETSという米国の機関によって行われています。もちろん公平性を期するために、テストに使用する英語から地域性を排除する努力はしているでしょうが、それでも、特に音声に関しては米語が基本になるのは自然な結果です。フィリピン訛りの英語で耳を訓練することが、TOEICなりTOEFLのスコアを上げることに果たしてどれほど有効かは、一考の価値があるのではないかと思います。

なお、一般論ですが、このようなオンライン英会話学校を検討する際には、講師に関してどの程度の情報を提供しているかに注目する必要があります。どのような学歴持っているか、といった、講師の質を伺うのに基本的な情報ですら提供してない場合、それが何を意味するかを考えましょう。生徒の立場からは、そういう情報と、"I love singing and dancing"といった情報と、どちらが大事なのでしょう?

もっとも、仮に「有名大学卒」をうたっていても、それが正しいかどうかは怪しいわけですが。以前私が勤務していた英会話学校では、「講師は全員有名大学卒」と言っていながら、中卒の人も採用していました。しかも、英国のコックニー訛りがきつく、他のネイティブ・スピーカでもろくろく会話できない、というさんざんな状況でした。彼の生徒さんは本当に気の毒でした。

「教育実績がある講師」もよく使われる売り文句ですが、これも要注意です。もちろん、実績はないよりあるほうがいいわけですが、経験があるからといって、講師として優れている、ということを意味するとは限りません。

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