総解英文法

総解英文法」という高校生・大学受験生向けの英文法の本がある。確か大学院を出た後、文法に関する事典代わりに使おうと買ったものの、そのまま本棚で埃を被るだけになっていた。

さて、本日、仏語での関係詞の用法を復習しているうちに、英語での関係詞の用法と比較したくなって、「総解英文法」を初めて開いてみた。

驚きが二点。

英語の関係詞の用法がどれだけ込み入っているのかを再認識。もう文法事項は多く内在化されてしまっていて、高校生当時などに比べると意識に明確に上ることは少なくなっているが、それでも曲がりなりにも正しい英文を生成できているということが驚きだ。ただ、これは他人に論理的に文法ルールを説明できなくなってしまった、ということでもある。

もう一点は、この本の中で、おかしな例文が多数挙げられていること。例えば以下の文(私が持っている1988年の第70刷で、p. 177):

I like a boy who works hard.
私はよく勉強する少年が好きだ。

において、"who works hard"という限定用法の関係詞節がついているもの、少年全般を指すのであれば"a boy"とは普通言わない。"Boys"と複数形にすべきであろう。

よく似通った文:

I would like a boy who works hard.

であるのならおかしくない。奴隷売買所で、「よく働く少年を一人ください。」という意味で使うのにぴったりだ。(もちろん職業斡旋所でもよいのだが。)

なんにしろ、このような誤った、あるいは不自然な例文が多く、とてもこの本は勧められない。こんな内容では、あの民明書房から出版されたと言われても驚かない。

いい英文法の解説書があれば、是非お知らせ頂きたい。

英文法といえば、英文ブログの方で、"Your Call Will Be Answered…."という記事を最近書いた。興味のある方はそちらもご覧ください。

ところで以前、「ついにフランス語ブログを始めた」で書いたように、仏語ブログもほそぼそと続けているのだが、フランス人の友人にケチョンケチョンに直されている。最近書いた«Mes Blogs en Autres Langages»などでは、赤字入りで添削されてしまっている。私が同じ種類の間違いを繰り返しているのにイライラしているようだ。心の中で赤ペン先生と呼んでいる。

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総解英文法 への2件のフィードバック

  1. didadi より:

    フランス語はそのうち上達できたらいいですね~

  2. AF より:

    日本の英文法解説書は、例文を取り上げてその正当性や不当性を主張しても意味はありません。その目的が、例文全体の正しく自然な用法ではなく、英文を正確に理解するための正確な英文法理論を解説するため一点に絞られており、その他は敢えて犠牲にしているのです。文章全体のスタイルも詳細な文法理論も全て網羅しようとすることは自殺行為なのです。

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